ATFL’s diary

文学や哲学の本について紹介します。疲れたときには形而上、死後へ帰る時間 

2019-01-01から1年間の記事一覧

フランクル 「夜と霧」 生きる意味

Viktor Emil Frankl 1905-1997 ヴィクトール・E・フランクル オーストリアのウィーンに生まれ、第二次世界大戦中、ナチスにより強制収容所に送られ、その体験を「夜と霧」に記した。 劣悪な環境の中で、生存競争のため暴力や窃盗も平気になるほど精神レベル…

池田晶子「さよならソクラテス」無知の知

最近は哲学にハマり込み、独りで考える時間が多くなった。 哲学と聞くと世間では堅苦しいイメージがあるかもしれないが、池田晶子さんの書く哲学は、分かり易い文章で深く考えてしまうものばかりだ。 その中でも「ソクラテス」シリーズが面白いので紹介する…

夏目漱石「虞美人草」 死を忘れるな 

今回は私が漱石作品の中で非常に影響を受けた「虞美人草」について感じたことを書いていきたい。これを読んで私自身の人生観ががらりと変わった小説でもある。 最も印象を受けたのは、小説の最後の部分で、哲学者の甲野さんが我執に充ちた妹である藤尾の死に…